<学校から地域から>
米里中学校(札幌市白石区)
「いずみ」「ひと」読み 全生徒が毎朝感想文
掲載日:2005/10/31

毎朝の「米里タイム」で新聞記事を読み、感想をまとめる生徒たち
 始業前の時間を活用して全校を挙げてNIEに取り組んでいる意欲的な学校がある。札幌市立米里中(日下部憲一校長、四百六十人)で、生徒が毎日、新聞記事を通じて社会に目を向ける貴重な時間となっている。
 「米里タイム」と名付けた朝の十分間。昨年までは読書をしていたが、今年、NIE実践校に認定されたのを機に新聞記事活用に切り替えた。一学期は準備期間で、夏休み明けから本格的に導入した。
 当初は選んだ記事が難しすぎて生徒が読みこなせなかったケースもあった。試行錯誤の後、現在は比較的取り組みやすい素材として、一年生は北海道新聞朝刊生活面の女性投稿欄「いずみ」、二、三年生は同総合面の人物紹介欄「ひと2005」を使用。記事をコピーした学習シートを一人一人が読んだ後、簡単な感想を書く。
 十八日の二年三組の教室内。担任の小坂亜貴江教諭(社会科)が来る前に、当番があらかじめ用意されたシートを四十人の生徒に配る。米里タイムの開始だ。
 この日の素材は五月中旬掲載の「ひと2005」。人気アニメをイメージした搭乗型二足歩行ロボットの開発者の紹介だ。「設計から塗装まで一人で作るなんてすごい」「物作りには努力と、失敗してもチャレンジするという根性が必要」。小坂教諭の見守る中、生徒たちがシートに感想を次々と書き込んで行く。
 文章が苦手な生徒もいる一方で、慣れるに従って「世の中のことがわかるし、自分の考えを書くことができるのがいい」(小屋畑(こやはた)みずきさん)、「紹介されている人の考えがわかったりして楽しい」(籏町廉(はたまちれん)君)という声も聞こえてくる。
 書き込んだシートは教室に置かれた各人のファイルにとじられ、後で担任が目を通す。
 四百人規模の学校で毎日、しかも学校挙げてNIEに取り組むのは大変。それでも小坂教諭は「生徒たちが新聞や社会に興味を持ち、自分の考えを表現できるようになってくれれば」と、同僚教諭三人とチームをつくり毎日、素材となる新聞記事を準備している。
 日下部校長は教員でつくる北海道NIE研究会会長でもある。「タイムリーな記事を通じて世の中のことに目を向け、最終的には自分の問題としてとらえ解決していく態度を培うのが目標」と成果に期待している。

戻る