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| 「心を込めて、やさしく握ろう」。新聞の連載記事で学んだことを生かしておにぎりを作る児童ら |
世界の食糧事情や農業の現状から飲食店情報、料理の作り方まで−。新聞には「食」に関する話題が毎日といっていいほど取り上げられている。こうした記事を授業に取り入れたり、かべ新聞づくりの資料などに役立てている学校は多い。「食育」の教材として活用するほか、経済問題、国際理解など幅広いジャンルの学習にまで広げる取り組みも増えている。
「ご飯粒が呼吸できるようにという感覚で、やさしく握る」。十一月上旬、桧山管内せたな町立久遠(くどう)小(川島富樹校長)の五年一組の児童十五人がエプロン姿で読み上げるのは、北海道新聞生活面で連載中の「おにぎり考」。青森県で料理を通した癒やしの場「森のイスキア」を主宰する佐藤初女(はつめ)さんの「極意」を紹介している。
担任の鈴木秀樹教諭が黒板に「日本一おいしいおにぎりを作ろう」という目標を書き出し、記事を参考に作業を確認。「佐藤さんの記事に出てくるポイントで、みなさんが生かせるところはありますか」と尋ねると、児童たちは「心を込める」「命をいただく、という気持ちを持つ」と答えていく。
「漁業の町の子どもたちに、農業についても知ってほしい」。父親が同管内上ノ国町の稲作農家である鈴木教諭は本年度、「おいしいお米について知ろう」をテーマに総合学習に取り組んだ。
児童は四月からバケツで稲を育て、秋には収穫、精米してついたり、玄米、白米の食べ比べもした。米作りの話や作業の様子を鈴木教諭が父親のもとでビデオ撮影し、児童に見せたこともある。また情報集めの力をつけることも狙いだったことから、おにぎりの材料や調理手順を農協が発行する冊子で調べたり、親から聞いた。新聞記事も活用した。
この日、佐藤さんの記事を読んで、おにぎりについてしっかり学んだ後は炊飯。ガス台の上の鍋の音に耳を澄ましながら待ち、炊きあがったご飯の熱さをてのひらで実感する。ぽろぽろこぼれるご飯粒と悪戦苦闘しながら、持参したサケを入れ、のりを巻き丁寧に仕上げていく。薄焼き卵で包んだり、フライパンで焼いたりと、工夫を凝らした一品にも挑戦した。
「佐藤さんのように、心をこめて握った」という中村恭子さんは自分の味に満足そう。「おにぎりは手作りするもの」と思っていたが、連載を読み、コンビニの人気商品で、よりおいしくするため日々研究が進んでいることも初めて知った。「おにぎりが商売になるなんて、すごく驚きました」。児童にとって発見の多い授業だったようだ。
*かべ新聞でも注目 地産地消*地元食材を取材、紹介
学校のかべ新聞のテーマとして最近注目されているのが「地産地消」。本年度の全道中学校かべ新聞コンクール(北海道新聞社など主催)でも、小麦や牛乳など地元の食材を取りあげた作品が目立った。
今ではブランドに育った江別特産の小麦・ハルユタカ。地元の市立江別第三中一年A組が作製したかべ新聞「鳳闕(ほうけつ)」=写真=では、七月に市内のパン店を職場訪問した生徒が関心を持ち、話を聞いた別の生徒らが新聞記事などでさらに収穫量や栽培の歴史などを調べて紹介した。指導した松本史子教諭は「地元農業への親近感が増したようです。できれば生産農家にも取材したかった」と話す。
千歳市立青葉中二年三組の「黄緑」は「千歳の地産地消」をもじり、見出しに「合言葉は『千産千消』」の文字。市学校給食センターが今年、地場産食材限定メニューを作ったことを機に、生徒が市役所や農産物直売所に取材し、記事にした。
釧路管内標茶町立標茶中一年の「流星」や留萌管内苫前中の「純白」は地元農家などに取材して記事にまとめ、牛乳の地産地消、消費拡大について提言している。