北海道新聞本社には小中学校など年間百件近い見学がある。案内を担当するのはNIE推進センターのスタッフだ。約二時間の見学のうち一時間は編集局などを見て歩くのだが、子どもたちに時々驚くことがある。特に小学生は「まだ歩くの」「暑い」と盛んに訴える。「飲み物は出ないの」と真顔で聞かれたこともある。疲れると所構わず座り込む子どももいる。もちろん引率の先生には指導してほしいが、「我慢の心」は本来家庭で教えるべきだと思う。
学校でのいじめをめぐる報道では「加害児童」の情報や、その保護者の責任についてほとんど触れられない。子どもの将来などを考慮すると、確かに公表は難しい。
でも、みんな知っている。迷走する日本の教育の背景には「家庭の機能不全」もあることを。子どもの衣食住をまかない、健康な体をつくり、最低限の常識を学ばせるには家庭が負う役割が大きい。社内見学に来る子どもたちを通して、保護者の姿が見えてくる。(舩木理依)