新聞の活用は学校での授業だけにとどまらない。生徒指導通信に新聞記事を転載する高校や、高校生が参加する環境関係の会議での資料に新聞を活用する例がある。こうした使用には新聞社から利用許諾を得る必要があるが、わかりやすい具体例や生々しい体験談が載った記事の使用は高い効果が期待される。
*函館水産高*薬物乱用、いじめ…具体的、生々しく*生徒、保護者から反響
「資料を読んで薬物乱用がいけない理由にラインを引きましょう」。昨年11月、北斗市にある函館水産高2年生のロングホームルームで山本かおり教諭が「函水生徒指導部便り」を配布、生徒に指示した。
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新聞記事が載った「生徒指導部便り」を配って薬物乱用について意見を聞く山本教諭 |
この日のテーマは薬物乱用の防止。教室に北海道新聞の大図解「薬物乱用」を張り出し、配布した便りには中日新聞の記事「大麻にはノーを」を載せた。生徒は記事を読んで薬物乱用がいけない理由を話し合い、乱用防止の標語を考えた。
同校は毎週木曜日のロングホームルームに合わせてA4判裏表の便りを作っている。便りにはいじめについての連載記事や暴行事件、ネットトラブルなど高校生の身近に起きそうな話題を選んで記事を転載している。
便りは生徒だけでなく、保護者にも目を通してもらう。学校の授業で新聞を使う場合は許諾を得る必要はないが、便りや通信には許可が必要だ。
このため山本教諭は転載する記事の各新聞社の著作権担当者に電話し使用許可の用紙をファクスで送ってもらい、許可を得る作業を毎回行っている。
こうしてできた便りには「(いじめの記事で)被害者の気持ちを感じることができた」(3年生)、「便りがきっかけで新聞を読むようになった」(同)との反響がある。
また保護者からも「いじめの記事を読んで子供と話すことができ、今まで知らなかった子供の意見や気持ちを知って驚いた」(2年生の保護者)という声が寄せられている。
山本教諭は生徒指導の通信に記事を使うことについて「新聞には海外の事例なども載っているので、教師だけでなく、多くの人の力を借りて生徒を指導していることになる。特に薬物乱用防止の記事などでは実際に使用してしまった人たちの生の声が掲載されていて生徒はじかに受け止めてくれる」と効果を強調している。
*コピー 許諾が必要なケースは
新聞には著作権があり、勝手にコピーできない。しかし、著作権法は学校など教育機関でのコピーは必要最小限で、その出所を明示すれば著作権の侵害にならないとしている。
こうした著作権者の許諾を得ずにコピーが認められるケースは、文部科学省が教育機関と定めるところでの利用で、クラスでの授業や学校行事、部活動などの課外活動などだ。
一方、認められないのは《1》学校開放事業《2》学校の教育計画に基づかないサークル、同好会などの自主的な活動《3》学級通信・学校便りなどへの掲載−など。この場合は個別に各新聞社に使用の許諾を得る必要があり、有料となることもある。
学校で新聞を使う際の著作権に関する注意事項は日本新聞教育文化財団のNIEホームページhttp://nie.jpが詳しい。
北海道新聞の記事の使用に関する問い合わせは北海道新聞メディア局(電)011・210・5660へ。