社会科分野での活用法は(2の1)*自分と歴史 関係見つめ

掲載日:2010/02/22

*現在とのつながり意識する目を養う

 新聞を活用した授業の目的はさまざまだが、作文能力や読解力の向上だけでなく、児童生徒に自分と社会や歴史との関係を実感させることを狙って新聞を使っている学校がある。社会科分野の授業を中心に、新聞を利用することで、教科書の内容が、ただ暗記すべきものではなく、過去や現在の出来事と密接な関係があることが理解できる。さらに自分もまた社会の一員であり、歴史の一部であると体感することにつながる。

*旭川・忠和小*自分の生まれた日の紙面から記事を選ぶ

 小学生の間では戦国武将が人気者で、歴史の授業が戦国時代になると盛り上がる。しかし、自分たちもこうした歴史の一部であり、未来をつくっていく存在なのだという意識は希薄だ。そこで旭川市立忠和小の大武敦史教諭は戦後史の授業で児童が生まれた日の新聞を使い、自分と歴史の関係を見つめる授業を行った。

 
  自分の生まれた日の記事を張ったワークシートを見せ合う忠和小の児童

 大武教諭は6年生の社会、国語の時間を使い、三つの実践で歴史を体感させることを目指した。

 《1》班ごとに昭和20年代から10年ごとの年表を作る
《2》自分の生まれた日の北海道新聞を読んで、気になった記事を選び、ワークシート「ぼくの私の生まれた日」に記事のポイント、感じたことを書き出す
《3》100年後の未来を予測、パネルにして発表する−の三つに取り組んだ。

 これらの授業を通して歴史をゲーム感覚で見たり、暗記するだけととらえるのではなく、自分なりに歴史を見る目を養うようにした。

 1月末の授業では三つの実践の感想文を発表した。「昭和20年代から日本が平和になり今の暮らしがあることがわかった」「毎日、何かの出来事があって自分もその歴史の中にいるんだと思った」などの声があがった。

 中には自分の生まれた1997年9月24日に掲載された「日米防衛協力のための指針」に道内自治体が困惑しているという内容の記事を読んで、「今、沖縄で話題になっている米軍や基地の問題は以前からあったのだと気づいた」という児童もいた。

 大武教諭は授業で、「児童は、自分が歴史にかかわっているという大きな自覚には、まだなっていないものの、歴史と自分のつながりを見ようという目は育ったと思う。また自分から積極的に情報を集めることが身に付いてきた」と見ている。

 今回、児童の生まれた日の新聞は北海道新聞NIE推進センターに依頼して紙面データベースからコピーしたが、縮刷版からもコピーできる。多くの公共図書館が縮刷版を所蔵している。またクラスの児童全員の生まれた日の新聞ではなく、生まれた年の特定の重大事件の紙面コピーのほうが、その事件と現在の事象との関連で授業を進めやすい場合もある。

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