*中3 東京書籍 中学公民 地球環境とわたしたち(全6時間)
*環境問題に経済の視点
環境問題への関心は高まっていますが、自ら行動を起こす人は決して多くはありません。市民レベルの意識向上の必要性は教科書にも表れており、童話「ピーターラビット」の著者ベアトリス・ポターが、イギリスの湖沼地帯の土地を買い取り、環境保全団体に維持管理を委ねた話をあげています。
今回使う記事は、NPO法人が企業、家庭を巻き込んで始めたカーボンオフセットについて紹介しています。通常は国家、企業間でなされる取り組みを、民間が地域社会で行う点がニュースなのです。
まず「ペレットストーブ」の説明が必要でしょう。記事にある写真を示しながら、石油などの化石燃料を用いず、間伐材の樹皮やおがくずなどを砕いて固めた「ペレット」を燃料とすることで二酸化炭素(CO2)発生を抑え、地球温暖化対策に貢献することを説明します。
子どもたちにとって最大の疑問は「『減らした二酸化炭素を買ってもらう』って?」でしょう。そこで記事を読みながら「カーボンオフセット」の仕組みを説明します。
「カーボン」は「炭素」、「オフセット」は「埋め合わせ」という意味です。記事では「家庭などがペレットストーブで減らしたCO2を企業に買ってもらい家庭に現金還元する事業」とあり、企業が1トンあたり1万円をストーブ販売店に支払い、店はストーブの購入者に、会社から支払われた1万円を還元するのです。
この仕組みを、子どもの生活に置き換えて質問してみましょう。「蛍光灯をまめに消したり、お菓子を食べた後のごみを分別することで、お金がもらえるとしたら?」と問いかけてください。
「環境を守ろう」という志だけではなく、経済行為として位置づけ、生活に組み込むこと−これが将来、地球環境問題を解決する一つの方法になるはずです。
(兼間昌智・札幌市立平岡中教諭)
◆ほかに使える資料は
「カーボンオフセットフォーラム」(www.j-cof.org/)環境省が設立した啓発組織のHP▽「日本ペレットストーブネットワーク」(jpn.o4510bank.com/)さまざまな種類のペレットストーブを紹介