冬の日本付近はシベリアの冷たく乾燥した高気圧の勢力の影響を受けて、「西高東低」といわれる冬型の気圧配置が見られます。春に近づき、この気圧配置が崩れるとき面白い雲の形が見られることがあります。日本では利尻島や屋久島周辺で見られる現象で「カルマン渦(うず)」といわれます。
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トレーの中で人工的に作り出したカルマン渦(理科サークルWisdom96提供) |
写真は人工的にカルマン渦を作ったものです。トレーに牛乳を入れ、墨汁をたらしています。墨汁の密度は大きいので底に沈みます。割りばしを立てて移動させると不思議な連続模様が現れます。これがカルマン渦です。
北西方向からの空気の流れを利尻島の利尻山や屋久島の宮之浦岳のような高い山が邪魔をする形になって乱れ、その様子が雲にあらわれるのです。年に数度見られるかどうかという珍しい現象ですが、気象衛星の画像などを注意していると見つかることがあります。
このカルマン渦、雲の様子として観察できるのはごくまれですが、日常生活では頻繁に発生しています。風が強い日に電線がブーンとうなっていることがあります。これは、電線によって風下に渦ができることによって出ている音です。バットを振ったときの音も同じです。みそ汁やラーメンのスープに割りばしを立てて移動させてもカルマン渦を作り出すことができますから、移動の速さ、はしの本数などをいろいろと変えて実験してみると面白いでしょう。
いつも強い風が吹いていることで有名な日高管内えりも町の襟裳岬に「風の館」という観光施設があります。その建物はカルマン渦の形を模しています。
(青野裕幸・江別市立大麻東中教諭)
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◇教科書の単元は東京書籍「身のまわりの物質 密度の計算、うきしずみ」「天気とその変化 前線と天気の変化」、啓林館「身のまわりの物質 密度」「天気の変化 大気の動きと天気の変化」、教育出版「身のまわりの物質 密度」「天気とその変化 天気の変化」