*スクラップ200冊 職業に関心
昨年から実践指定校となった石狩翔陽高は、総合学科。2年生から進路に合わせた個別の時間割を組むため、早い段階で職業意識を高める必要がある。そこで役立っているのが、一昨年赴任した谷口初江司書が作るスクラップブックだ。
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谷口初江司書(右から2人目)は、スクラップ作りに生徒の要望も取り入れている |
谷口司書は「子育て」「ケータイ(電話)」など社会の風潮、仕事にまつわる話題や時事問題について各紙の記事をファイルしており、現在は約200冊そろっている。
「職業に関する書籍は、広く浅い内容か、逆に専門的なものが中心。一般の人向けに書かれた新聞記事は生徒にとってちょうどいい情報の質、量なんです」と谷口司書は言う。
例えば、救急救命士を志望する生徒のために作ったスクラップは「医療と患者を支える」と題し、朝日新聞の企画「<がん新時代>患者を支える人々」(2009年1月28日〜2010年2月16日)や「<現代かわら版>道内で広がる『患者サロン』」(北海道新聞2009年3月27日)など、医療従事者と患者の双方に関する記事を集めた。
スクラップの存在は口コミで広がっており、卒業論文ともいえる「課題研究」や修学旅行の事前調査に使う生徒も多い。6月下旬の昼休み、図書室を訪れた2年生の三上真里奈さんと森亜寿美さんは「学校祭で作る壁新聞の資料を探しに来た」とタイトルに目を走らせていた。
スクラップの整備に伴い、積極的に新聞を取り入れる教科もある。
職業意識を高める目的の1年生の科目「産業社会と人間」は昨年度、生徒自身が選んだ記事の内容から疑問点を探し、原因や背景、改善法などをまとめさせた。総合学科推進部長の鈴木広基教諭は「新聞を読む環境が整っているため、授業でも使いやすい」と言う。
就職、進学した分野のミスマッチに悩む卒業生もいる。「社会にはどんな仕事があるのか、志望する職種の課題は何かを早くから知らせるためにも、新聞の活用法を試行錯誤していく」と同教諭は話している。